不動産ファンド業界各社も投資対象となる不動産が足りず、事業会社の再生を投資対象としてきた。M&Aの知識を持った投資銀行の出身者に有望な転職先ともなるであろう。
社名 |
平均年齢 |
平均年収 |
潟_ヴィンチ・アドバイザーズ |
34.6歳 |
1,389万円 |
ケネディクス |
40.0歳 |
1,190万円 |
アセット・マネジャーズ |
38.3歳 |
1,196万円 |
潟Vンプレクス・インベストメント |
34.2歳 |
1,086万円 |
パシフィック・マネジメント |
33.3歳 |
1,183万円 |
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神戸市の新港第一突堤跡、ホテルなど09年秋開業、「ダヴィンチ」事業者に。2007/04/19
神戸市は十八日、神戸港の新港第一突堤跡(中央区)の再開発コンペで、不動産ファンドのダヴィンチ・アドバイザーズなどのグループが事業者に決まったと発表した。二百四十室の高級ホテルや商業施設=写真は完成予想図=を二〇〇九年九月開業を目指し建設する。投資額は百五十三億円。神戸港の新しいランドマークにしたい考えだ。
ダヴィンチと中堅不動産のプロ―キャスト(東京・中央)が組み二万七千五百平方メートルの敷地を市から三十年間賃借する。賃料は月額二千万円。
ホテルは円筒形の地上八階建てで独自ブランドの運営を検討する。商業施設は床面積二万三千平方メートルでファッションや雑貨などの専門店や飲食店を入居させる。
「広い地域から集客できるブランド力のあるテナントを誘致したい」(プロ―キャスト)としている。
コンペには三案が提出され二案が残った。このうち賃料がライバルに比べ二一%高いダヴィンチグループに決まった。
ダヴィンチ・アドバイザーズ、ゴルフ場に宿泊施設展開。2007/04/20
不動産投資ファンドのダヴィンチ・アドバイザーズは、ゴルフ場に併設する会員制の長期滞在型宿泊施設を展開する。団塊世代を主要顧客に想定し、ペット連れでも宿泊しやすいようにペットを預かる施設や犬が遊べる施設も整備する。約四百億円を投じて二〇〇九年をメドに五十施設を展開する計画で、資金は同社が運用するファンドから調達する。
子会社のダヴィンチ・リアルティ(東京・中央)が手掛ける。第一弾として長野県佐久市の「サニーカントリークラブ」内に施設を建設する。八月開業予定で、四月二十八日から会員を募る。会員権の期限は三十年で募集人数は九百人。
今後も主要都市からの所要時間が四時間程度のゴルフ場を中心に買収を進める。同社が施設を建設し、ゴルフ場に運営を委託する。
ASSET前期、純利益2倍に、大型案件の売却寄与。2007/04/11
不動産ファンド運営のアセット・マネジャーズは十日、二〇〇七年二月期の連結純利益が前の期比二倍の九十四億円になったと発表した。大型の開発案件の売却や海外での投資事業が好調だった。既に企業投資に関する投資事業組合は連結していたが、今回新たに不動産ファンドも連結対象に加えた。投資組合などを連結しない従来基準では九十三億円だった。
売上高は二・五倍の五百六十八億円。従来基準では七一%増の三百八十六億円だった。二十社の不動産ファンドを新規に子会社化。ファンド連結に伴い、従来の手数料収入などが内部取引として消去される一方、ファンドの賃料収入や不動産売却収入を収益計上した。
ASSET株主数28%増、信用取引が活発化、個人シェア上昇。2007/04/102007/04/10
不動産ファンド運営のアセット・マネジャーズの株主数が二月末時点で約二万七千人と、一年前に比べ二八%程度増えた。新興株相場の低迷で売却を進めた機関投資家の保有比率が低下した一方、信用取引などによる売買が活発となり個人株主の比率が上昇した。昨年の株式分割をきっかけに投資資金が入り、流動性が高まったことも背景にあるようだ。
二月末の個人の比率は五四%強と一年間で三・七ポイント程度上昇した。同社株は新興市場の売買代金上位を占めることが多い。二月末までの一年間の売買代金は一兆六千八百億円と、その前の一年間と比べ二倍強に増えた。
半面、金融機関の保有比率は一三・五%と一ポイント強低下。収益のもう一つの柱である投資事業について、中国での展開が分かりづらいとの見方が多い。株主構成の安定化に向け、「開示情報の充実で投資家の不安を取り除く」(経営企画部)ことが課題だ。
不動産ファンド、決算方針出そろう―出資ゼロで連結扱いも、企業実態見えにくく。2007/04/14
不動産ファンド運営会社のファンドの決算方針が出そろった。出資がゼロであっても連結子会社として扱う企業が一部に出るなど、各社が連結対象としたファンドは増えた。だが、財務諸表が企業実態を示さず、かえって決算書が分かりにくくなったとの批判も多い。会計処理を巡る混乱は当分、続きそうだ。
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アセット・マネジャーズが十一日に発表した二〇〇七年二月期決算で二十本の既存不動産ファンドを新たに連結対象に加えた。従来は出資比率で過半を基準にしていたが、今回から五〇%以下でも連結子会社とした。中には運用はしていたが、全く出資していないファンドも二本ある。
同社は「資産運用業務を手掛けているファンドは基本的に連結するのが監査法人の考え方だった」と説明する。
通称「一兆円ファンド」を運営するダヴィンチ・アドバイザーズは〇六年十二月期決算ですべてのファンドを連結した。出資比率は〇―二〇%だったが、「他社よりも一任性が強い」(金子修社長)運用形態のため、実質的に支配していると判断したもようだ。
この結果、ダヴィンチの売上高は千三百六十億円と前の期比で十四倍、総資産は八千七百八十三億円と二十六倍に膨れあがった。
「不動産ファンドを連結した財務諸表は純利益以外、あまり意味がなくなった」。担当アナリストは口をそろえる。売上高は内容が様変わり。これまで運用手数料収入が中心だったが、ファンドを連結するとその不動産売却収入や賃貸収入が加わる一方、手数料は計上されなくなる。他人の資金を運用して手数料収入を得る事業モデルを読み取りにくくなった。
さらに経常利益段階までは、顧客でもある他のファンド出資者の利益まで含めて表示されるようになった。結局、他の出資者の利益を差し引いた純利益しか過去と比較できるデータがない。
昨年九月に企業会計基準委員会が打ち出した投資事業組合の連結に関する新ルールは、ライブドア事件に端を発している。ファンドの連結はずしによる不正を防ぐ狙いだが、逆に連結することで決算書が分かりにくくなった。ダヴィンチが決算短信に従来基準の財務諸表も掲載するなど、各社は投資家が理解しやすい開示方法に知恵を絞る。
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そうした中でファンド償還の“荒技”に出たのは中古マンション売買専門のファンドを運営するスター・マイカ。今年三月までに約七十億円あったファンドの出資金を出資者に返還、かわりに金融機関からの借り入れを増やし、ファンドに貸し付ける形にした。
同社によれば「財務諸表と企業実態を近づける意味合いもあった」という。返還後の事業形態は、自社借り入れでマンションを売買するという連結財務諸表の内容に近くなった。
連結基準の厳格化はなお波紋を広げている。市場では決算書が実態を正しく表していないとの見方は多く、監査人の間で基準が統一されていないことに各社は不満をくすぶらせている。「すでに連結してしまったファンドははずせないが、今後新たに組成するファンドはどうなるか分からない」(クリード)。混乱はしばらく続きそうだ。
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